できもの・ほくろ
後天的にできたふくらみのあるものをできものと呼ぶ場合が多く、色がついているものは「ほくろ」と呼ばれます。しかし、医学的に言えば非常に多彩な病名がつくことになります。
症状
・粉瘤
少しずつ大きくなる、ドーム状に膨らむ丸いできものです。中には垢がたまっており、全身どこにでもできる可能性があります。必ず皮膚表面につながる穴があり、そこから細菌が侵入すると感染して赤みや痛みを伴うことがあります。皮膚科では最もポピュラーなできものです。残念ながら自然になくなることはありません。痛みや痒みなどの自覚症状がないと放置されることも多いですが、徐々に大きくなるため、小さなうちに手術で取ることをお勧めします。感染を伴った場合には、切開をして中の膿や垢を出す処置を行います。
・軟線維腫
皮膚の色をした、ひっぱってもあまり痛くないできものです。全身どこにでもできる可能性があります。悪性化することはないので放置しても構いませんが、邪魔になったりひっかかったりするようであれば手術で取ることをお勧めします。
・脂肪腫
皮膚の下のやわらかいふくらみです。脂肪細胞が増えて、袋状の被膜に包まれています。こちらも悪性なことはほとんどないので放置しても構いませんが、場所的に気になるようであれば切除します。大きい場合や深い場合には大きな病院で全身麻酔での手術となることもあります。
・脂腺増殖症 汗管腫
顔にできる、それぞれ脂腺が増えたできもの、汗管腫が増えたできものです。脂腺増殖症や額や鼻など脂腺の多い部分にできやすく、汗管腫は目の周囲にできることが多いです。加齢に伴い徐々に増えます。特に原因はわかっていません。増えたり大きくなっても、医学的には問題はありませんが、整容的に問題になる場合が多いです。その際は、保険診療であれば液体窒素でやいたり、手術でとることも理論上は可能ですが、液体窒素は色素沈着が残りやすく、取り切れることはないため、治療をやめるとまた増大します。手術は数が多い場合には痕の方が問題になることがあります。当院ではAGNESという自費の診療をお勧めしています。詳しくは美容診療のページをご参照ください。
・ほくろ
ほくろ(色素細胞性母斑)にはさまざまな種類があり、大きく分けると良性・悪性があります。悪性の場合は当院で全摘除手術を行うこともありますが、悪性の種類によっては大学病院などをご紹介いたします。
当院ではホクロの大きさや形、種類、部位によって適切な治療法をご提案します。保険診療、自費診療ともに行っておりますが、美容目的は自費診療となります。(顔のほくろを全部取りたいなど)保険診療の場合は目周り等視界の邪魔になるものや過去に出血したことがあるもの、隆起して引っかかるもの、形がいびつなもの等が適用となります。
治療法
メスでほくろを切り取ったあとに、傷口を糸で縫合します。手術の痕が線状に残りますが、大きいほくろや悪性の疑いがある場合などはこちらの方法で切除します。
あまり大きくないほくろは、丸くくりぬきます。手術によって1~2針縫うことがあります。手術後は自然治癒を待ちます。
炭酸ガスレーザーと呼ばれるレーザーで表面から焼いてとる方法です。美容皮膚科のほくろ除去で、最も一般的な治療法です。長期的にみると再発のリスクが高い治療法ですが、良性のほくろに限り治療が可能で仕上がりが最も綺麗です。大きいほくろや深さのあるほくろなどは、適用外となる場合があります。